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50年をかえりみる

結晶成長学の発展

砂川一郎

〈山梨県立宝石美術専門学校 400甲府市東光寺町1955-1〉

1. はじめに

千差万別の雪の結晶の形は等サイズの球の並び方であらわれるとしたJ. Keplerの考えも,平らな面で囲まれた水晶の多面体結晶の形がきまるのは成長速度の異方性によるとしたN.Stenoの考えも,ともに17世紀に生れたものである.結晶の形の多様性がなぜ生れるのかを理解しようという知的好奇心が結晶成長学を生みだす動機であった.

多面体結晶については,不純物が結晶の形に決定的な影響を与えるという観察が18世紀にすでになされており,19世紀になると格子タイプと結晶の形を関連づけるA. Bravaisの経験則がだされ,19世紀末から今世紀初頭にかけて,J. W. Gibbs, G. Wulff, P. Curieなどによる平衡形の理論的解析がなされる.1)これらは,結晶のマクロな形についての解析である.実験の方でも,マクロな環境相とマクロな形の関係についての研究が1920年頃まで主流であった.この間の研究を通じて,拡散境界層*やBerg効果**の存在が認識されてゆく.

結晶成長の原子的過程が研究されだしたのは1920年代末から30年代はじめであった.まず,成長中の結晶面上で成長層が二次元的に拡がる様子が,光学顕微鏡下で観察された.これが出発点となって層成長理論が生れる.1, 2)単純な立方体を構成単位とするKossel結晶の完全面および不完全面上での構成単位の着脱エネルギーの計算から,完全面(今日のスムーズな界面)上で成長層が二次元的にひろがり,新しい成長層の出現は二次元核形成によるとした理論が生れた.点欠陥や転位論など格子欠陥に関する研究がはじまったのも同じ時期であるが,結晶成長機構の解析にはまだ転位の概念は入っていない.

転位をふくむ現実の結晶成長はラセン転位を媒介とした渦巻成長機構によるとするF. C. Frankの理論3)が発表されたのが1949年で,日本物理学会創立のわずか3年あとである.位相差顕微鏡や多重光束干渉法をつかって平らな結晶面の表面マイクロトポグラフを観察することにより,この理論はすぐ実証された.それからあと50年,結晶成長学,とくに日本での研究がどのように発展したかを概観するのを本文の目的とする.

知的好奇心のほかに,結晶成長学には「結晶づくり」とつくった結晶を我々の生活を豊かにするために利用するという重要な側面がある.宝石を合成することからはじまった結晶づくりは,今日では半導体工業の死命を制するSiの無転位単結晶づくりや,原子層1層ごとを成長させるエピタキシー技術にまで発達したことは周知の通りである.また,金属単結晶の育成が金属組織学を金属物理学に変容させたように,単結晶の育成が学問の発展にとって決定的な役割を果したこともよく知られていることである.結晶成長学は,基礎と応用とが密接に協力しあいながら発展した学問といえる.しかし,本誌の性格を考え,本論では知的好奇心の方に主な焦点をあてながら,この50年の間に日本で結晶成長学がどのように発展してきたかをふりかえることにする.


2. 前史と学会活動4)

1950年代以前,日本でもいくつかの結晶成長基礎論に対する貢献があった.山本健麿によるイオン結晶の形に対する不純物吸着に関する一連の研究,山田光雄による結晶の平衡形に関する研究,中谷宇吉郎による天然および人工雪の結晶の形に関する研究や,同研究室での氷の円盤結晶の観察は,知的好奇心関連の日本人による貢献である.中谷のつくった過飽和度と温度を変数とした雪の結晶の形の状態図は,結晶のモルフォロジーの相図(モルフォドロム)の最初であった.氷の円板結晶が花弁から樹枝へと形を変えてゆく過程を追跡した観察は,後述の形態的安定性(morphologicalstability)理論が発表される前になされた研究であったが,残念ながら理論を生みだすまでには至らなかった.

結晶づくりの研究も盛んであった.金属の磁性を理解するために行なわれた茅誠司によるFeやNiの単結晶育成,野田稲吉の合成雲母,大原儀作のRochelle塩,国富稔のルビー,水晶,河合平司の強誘電体結晶などは,その例である.なかでもRochelle塩,水晶,ADP (NH4H2PO4)のような圧電結晶の育成に力を注いだ小林理研は,その後結晶成長学の分野で活躍する多くの研究者を育てた.また,結晶づくりと結晶の応用をめざしたこれらの研究者によって,結晶成長学の学会活動がはじまる.化学会東海支部の中の部会として発足した人工鉱物討論会(現在人工結晶工学会として独立)や,応用物理学会の中に設けられたADP委員会(現在応用物理学会の中で結晶工学分科会として活動)は,いずれもこの人達の努力で始められ,1956年に創立されている.結晶成長学の学会活動は,日本ではまず結晶づくりとその利用からはじまったが,基礎論ではいくつかの学会で研究成果が個別に発表されている状況であった.結晶を主題とする結晶学会でさえ,結晶成長学に対する関心は深くはなかった.

この情況は世界的にみてもほぼ同じで,結晶成長学は独立した学問分野とみなされず,結晶づくりは下請の仕事とすらみなされていた.結晶成長の基礎と応用を結びつけたFaraday協会主催の討論会(1948),Cooperstown会議(1958), Nancyコロキウム(1965)のような記念すべき国際会議が開かれていたとはいえ,それぞれ単発的な会議であった.結晶成長学としてまとまった形の国際会議が開かれ,それが継続するようになったのは,1966年にBostonで開かれた第一回結晶成長国際会議(ICCG-1)が最初である.開催に至るまでには色々な困難があったらしいが,これが契機となって結晶成長学の国際組織(IOCG)がつくられ,各国に結晶成長学国内会議(NCCG)が開かれ,結晶成長学会(NACG)が誕生するようになる.Journal of Crystal Growthの創刊もICCG-1を契機とする.日本でも,1969年に関連13学協会共催の形でNCCGが開催されるようになり,1974年にはJACGが創設された.

日本で最初にICCGが開催されたのは1974年で,ICCG-4にあたる.3月末に開かれた開会講演で,結晶成長の渦巻成長理論で有名なFrankが,雪の結晶のモルフォロジーに関する講演を行った.時ならぬ雪が降りだした朝である.中谷の貢献を紹介しながら,中谷が雪の結晶の双晶*** について終生ふれなかったことに言及した.これは,中谷のあとをついだ小林禎作に大きな衝撃を与え,何千枚もの雪の結晶の写真を,双晶という観点でみなおす動機となり,雪の結晶のモルフォロジーに新しい視点が与えられた(文献15参照).

しかし,ICCG-4では日本の結晶成長学に対して,実学的研究が多くて基礎論に対する貢献が少ないという批判がよせられた.この批判は,私にとってはその後の活動の原動力となり,基礎と応用,理論と実験の橋渡しをし,調和のとれた発展ができるように力を注ぐことになった.その後,NCCG後に毎年開いている結晶成長討論会(通称,放談会)はその願いの具現化であった.理論面のリーダーであった大川章哉との協力の賜物である.さいわい,15年後の1989年,日本で2度目に開かれたICCG-9では,日本からの基礎論に対する貢献が質量とも指数関数的に高まっているとのコメントがよせられた.また,基礎と応用の橋渡しが成功していることによって,日本で半導体工業が成功したとうけとめられた.これに見習おうという意図で,ヨーロッパにその種の役割を荷う結晶成長学を中心とした研究機構EURO-CRYSTをつくろうとする動きが生れてさえいる.隔世の感がある.

基礎と応用との間の協力関係を充実しようというのは,NCCG開始以降,あるいはJACG創立以降ずっと,結晶成長学の研究を進める上での基本的な姿勢であった.結晶成長学に関する最初の特定研究(1972〜1974; 代表,橋口隆吉),2回目の特定研究に相当する重点領域研究(1991〜1993; 代表,西永頌)でもこの姿勢は堅持された.また,そのねらいで学術会議の中に結晶成長学専門委員会が発足し(1985), JACG, 人工結晶工学会,応用物理学会結晶工学分科会から選出された委員8名で構成されている.1971年に刊行された『結晶工学ハンドブック』,5)1995年JACG創立20周年を記念して刊行された『結晶成長ハンドブック』6)も同じ姿勢で編集されている.なお,結晶成長基礎論については,大川章哉,黒田登志雄の著作7)があり,また加藤範夫編集の物理学論文選集『結晶成長』8)は基礎論を発展させる上で大切な役割を果した.

結晶成長学が学問として始動しだしてからほぼ50年,物理学会とほぼ同じ長さとなる.次の世代につたえるため,これまでの成果をまとめておこうという動きが生れる時期に相当する.上述の『結晶成長ハンドブック』もそのあらわれの一つであり,最近刊行された3部6巻合計5,000ページに達する“Handbook of Crystal Growth " 9)や古典論文をまとめた“A Perspective of Crystal Growth " 10)の出版は,そのような時期に達していることを示す証拠であろう.これらの本の中に日本人の論文やレヴューがいくつも収録されている.


3. 固・液界面の研究

結晶が気相や液相から成長する場合,固・液の界面は結晶が成長・溶解する唯一の場所である.図1に模式的に示したように,結晶成長の機構は界面の構造によって異なり,成長速度対駆動力関係も違う.原子的オーダーでラフな界面では,吸着型成長機構で界面が一様に前進することで成長する.原子的オーダーでスムーズな界面では,成長単元は界面上に存在するステップやキンクに到達してはじめて結晶に組み込まれるので,界面に平行に成長層がひろがることによって結晶が成長する.これには二次元核形成機構と渦巻成長機構がある.したがって,原子的過程で結晶成長機構を理解するために,まずは界面が注目されるのは当然である.界面の構造については,層成長理論が提示されたときから注目されてきたが,その後K. A. Jacksonの理論 (a-因子)11)やO. E.Temkinの理論12)が発表された.実験的に調べようとすると,まずスムーズな界面に相当する低指数の結晶面上にみられる渦巻成長によるステップ・パターンの観察となる. 鋭敏な光学顕微鏡や干渉法をうまく組み合わせることによって,種々の結晶上にnmオーダーの高さをもつ渦巻成長層が観察・測定されたのは1950年代からである.最も薄い渦巻成長層の高さは,天然の赤鉄鉱結晶の底面上にみられた渦巻成長層について観測・測定されたもので,Fe2O3一層の高さに相当する2.313)である.これは可視光の波長6,000を物差として1分子の高さの測定に成功したことに相当する.結晶面の表面マイクロトポグラフの研究は,その後も日本が伝統的な強さを誇り,今では水溶液から成長する結晶面上のnmオーダーの渦巻成長層の動きを,in-situで観察測定し,個々の渦巻成長層のカイネティックスを表面過飽和度や環境相中のものの動きと関連させて調べることができるようになっている.バルクの過飽和度とバルクの結晶や結晶面の平均化した成長速度の関係をもとに成長機構を解析していた従来の速度論的研究にくらべて,このような微視的な実験方法が開拓されることで,ものがもっとはっきり見えてくるようになってきた.14)

これは,微視的な結晶成長理論,特に実測できないような係数を含んだ理論が暴走しないために不可欠なことである.最近は,走査トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡も,この種の研究で活用されているが,外国の方ですぐれた成果があがっている.これに対して,反射電子顕微鏡法をつかって,高真空下で成長あるいは蒸発層形成過程の界面の動きをin-situで追跡する研究は,日本のお家芸で,多くのすぐれた成果があがっている.たとえば東工大高柳グループの研究はその例である.また,千川純一が行なったX線をつかった固液界面近傍のin-situ観察は,メルト成長に関して予期しない情報をもたらした.このように,固液界面およびその近傍での成長や溶解の原子的過程をin-situで調べようとする研究が,最近の結晶成長研究の重要な方法論となっている.日本のもう一つのお家芸は,上田良二がはじめた超微粒子のモルフォロジーに関する研究である.15)

裸の界面に対して,界面に準液体層の存在を想定して長い間謎であった過冷却度による雪の結晶の晶癖のくりかえし変化に対して,説明を与えるのに成功したのは黒田登志雄である.15)雪の結晶の柱面と底面上で疑似液体層の厚さが異なり,過冷却度に応じてその厚さおよび裸の界面があらわれる過冷却度の変化を想定して,板状から柱状,さらに板状へと変るくりかえしの晶癖変化が説明された.

ラフな界面の成長で最も重要な貢献は,Mullins and Sekerka16)による形態安定性の理論である.曲率をもった界面の形がどのように不安定化してゆくかを取り扱ったこの理論によって,セル構造の発達,樹枝状結晶の成長が統一的に論じられるようになった.これは計算機実験の発展とともに,樹枝状結晶の成長から,フラクタルパターン,DLA (Diffusion Limited Aggregates) パターン,スムーズな界面上でのステップ・パターンに至るまでの理論解析に多くの研究者の関心を呼ぶもとになった.

計算機実験が結晶成長基礎論研究で重要な武器となりだしたのは,1970年代頃からで,スムーズな界面上でのステップ運動や二次元核形成,渦巻成長を映し出し,また成長速度対駆動力関係と界面の荒さとの関係を定量的に検討する役割を果した.しかし,初期には既存の理論のチェックの色彩が強かった.その後,計算機実験を活用して,樹枝状成長やもう少し複雑な系での結晶成長を解析したり,結晶のモルフォロジーの解析が行なわれたりなど,斎藤幸夫や上羽牧夫らによって世界をリードする成果があげられている.

図1

図1 ラフな界面での吸着型成長機構(a)と,スムーズな界面での二次元核形成機構(b)と,渦巻成長機構(c)の模式図,および成長速度(R)対駆動力(刄ハ/kT)関係.
刄ハは固相と液相との科学ポテンシャル差.:Boltzmann 定数,:絶対温度.駆動力は普通,過冷却度や過飽和度で見積られる.A,Bは係数.

 


4. 環境相の研究

気相や液体層から結晶が成長するとき,固・液界面は結晶の成長や溶解が行われる唯一の場所であることから,渦巻成長理論以来,主な関心が界面にばかりよせられてしまったきらいがある.環境相の構造やその中での動きにもっと注目する必要があるという認識が最近では再び高まっている.水溶液中で成長する結晶の完全性が,脱溶媒過程に起因する浮力による対流で決定的な影響をうけることが観察されたり,拡散境界層中での濃度勾配が正確に測定され成長速度と関連づけられたり,あるいはバルクの溶液相中でクラスターの存在を示す観察が報告されている.Siのようなメルト(融液)成長でも,メルトの構造にまつわるさまざまな不思議があり,それを解明しようとしてERATO (Exploratory Research for Advanced Technology,創造科学技術推進事業)でメタメルト・プロジェクト研究が行われた.界面にばかり関心が払われていた従来の研究の反省として,環境相にもっと焦点をあてる必要があるというのがこれからの動向であるようにみえる.原子,イオン単位で結晶が成長するという前提の上にたてられていた従来の理論に対して,実験の方からは,もっと大きな成長単元を想定した方がよいのではないかと,問題提起をしているようにみうけられる.


5. 結晶の完全性,均質性

バルク単結晶の完全性,均質性は主として結晶成長の履歴できまる.そのため,1950年代には転位実証のために主として使われていたX線的なキャラクタリゼーションの手法(たとえばLang法や2結晶法など)が,結晶成長学の分野で活用された.いくつかの研究室では結晶成長と関連させて活用され,結晶成長学にとっても興味深い結果を得たが,最近ではその種の成果が少なくなってきたきらいがある.結晶成長機構の研究とカップルして完全性,均質性をキャラクタライズできる研究室が少なくなったことが一つの原因であり,もう一つは,そのほかのキャラクタリゼーション手法が新しく開発されたからであろう.カソード・ルミネッセンスやレーザー・トモグラフ法などの手法は,天然の結晶の成長史の解明のような,複雑系での結晶成長の研究に使われている.


6. 複雑系の結晶成長--今後の課題

過去50年間の研究で,純粋単純系についての結晶成長の原子的過程の理解は大幅に深まり,結晶のモルフォロジーや完全性,均質性もそのレベルで論じられるようになった.工業的には無転位Siの大型単結晶育成が可能になり,エピタキシー技術も顕著に向上した.かつてアートといわれた結晶づくりも,純粋で単純な系については,科学技術のレベルにまで達した点もあるが,アートが完全になくなったのではない.技術としての結晶成長術が大成し,我々の生活は豊かになった.この間に蓄積された知識やノウハウは深く,数多い.

結晶成長は生物界,無生物界の森羅万象にわたって関わりをもつ現象である.半導体材料だけでなく,地球を構成する固体物質やセラミックは結晶の集合体である.生命活動にとって必須の存在である骨,歯,貝殻も,不要物である胆石などの臓器結石類も,多くが微細結晶の集合体である.チョコレートやバターも結晶であるといえば驚くかもしれない.蛋白質も単結晶をつくってはじめてX線による構造解析が可能になり,その機能を解明することができる.これら複雑系で起る結晶成長では,結晶の核形成とモルフォロジーできまる組織形成の理解が,基本的に重要な課題となる.組織によって新しい機能が発現されるからである.

過去50年間で,純粋単純系での単結晶の成長に対する理解が深まったが,複雑系での組織形成機構にはまだわからないことが山積している.しかし,それらの問題の多くは,単純系の単結晶の成長で得られた知識をもとに解決できるかも知れない.今後の焦点はここら辺にあるというのが私の現在の感想である.


7. おわりに

結晶成長研究の50年間の歩みをふりかえってみた.渦巻成長理論や,形態安定性に関する理論のような,エポックメーキングで息の長い理論は,残念ながら日本からは生れなかった.基礎論における日本人によるこの種の貢献は将来に期待したい.

しかし,主として実験面で,日本人が開拓した新しい研究方法が他の国で採択され,活用されているものは多い.また,雪の結晶や超微粒子のように,日本のお家芸に相当する研究内容もある.これらの成果は,誇るに足りる内容をもっている.もっとも,私が日本の結晶成長学の研究で最も誇りうると感じていることは,理論と実験,基礎と応用との間の橋渡しがうまくゆき,産学の協同体制が実現することによって,短い時間に大きな発展がみられたことである.この姿勢,思想は,今日輸出される状況にまで到達している.


文 献

  1. 原著論文は,C. J. Schneer, ed.: Crystal Form and Structure, Benchmark Papers in Geology, Vol. 34 (Dowden, Hutchinson & Ross, Strousburg, Pa, 1977) や,加藤範夫編:『新編物理学選集44,結晶成長』(日本物理学会,1970)中に収録されている.
  2. W. Kossel: Nachr. Gesellschaft Wiss. Gottingen (1927) 135; Naturwissen-schaften 18 (1930) 901. I. N. Stranski: Z. Phys. Chem. 136 (1928) 259.
  3. F. C. Frank: Disc. Faraday Soc. 5 (1949) 48.
  4. 砂川一郎:『日本の結晶学--その歴史的展望』(日本結晶学会,1988) pp. 184;--『結晶成長ハンドブック』(共立出版,1995) pp. 11.また,加藤範夫:固体物理21(1986)53,野田福吉:--結晶成長学会誌3(1976) 1を参照.『日本の結晶学--その歴史的展望』--の中には人工鉱物工学会(野田福吉,平野眞一),結晶工学分科会(小川智哉),日本学術振興会第145委員会(小川智哉),小林理研(三宅静雄)がある.
  5. 編集委員会編:『結晶工学ハンドブック』(共立出版,1971).
  6. 日本結晶成長学会編:『結晶成長ハンドブック』(共立出版,1995).
  7. 大川章哉:『結晶成長』(裳華房,1977).黒田登志雄:『結晶は生きている--その成長と形のしくみ--』(サイエンス社,1984).
  8. 加藤範夫編:『新編物理学選集44,結晶成長』(日本物理学会,1970).
  9. D. T. J. Hurle, ed.: Handbook of Crystal Growth, I a, b, II a, b, III a, b (North-Holland, 1993-1995).
  10. D. T. J. Hurle, ed.: A Perspective on Crystal Growth (North-Holland, 1992).
  11. K. A. Jackson: Liquid Metals and Solidification (American Society of Metals, 1958) pp. 174-186.
  12. D. E. Temkin: Sov. Phys. Crystallogr. 7 (1962) 354.
  13. I. Sunagawa: Am. Min. 46 (1961) 1216.
  14. I. Sunagawa, K. Tsukamoto, K. Maiwa and K. Onuma: Prog. Crystal Growth and Charact. 30 (1995) 153.
  15. T. Kuroda and R. Lacmann: J.Crystal Growth 56(1982)189. 雪,超微粒子,鉱物の結晶のモルフォロジーに関する研究成果の総括は,I. Sunagawa, ed.: Morphology of Crystals, Pts. A and B (Terra, 1989) に収録されている.
  16. W. W. Mullins and R. F. Sekerka: J. Appl. Phys. 35 (1964) 444.

* 成長あるいは溶解中の結晶のまわりには,バルクの溶液と結晶の間よりも急傾斜の濃度勾配をもつ境界層が存在し,その中での濃度勾配が成長,溶解の主な駆動力となる.

** 多面体結晶の平らな結晶面上の溶液中の濃度は,面中央で最も低く,稜や隅で高いことを干渉法を使ってW. F. Bergが見出して以降,これをBerg効果またはBerg現象と呼んでいる.

*** 一定の結晶学的関係(双晶軸,双晶面,双晶心)で2個体の結晶が接合共生している結晶.成長双晶,転移双晶,機械的(二次的)双晶がある.