左は,1941年頃に撮影されたコレジ・ド・フランス (College de France)原子核化学研究所の屋上での湯浅年子博士で(提供:お茶の水女子大学ジェンダー研究センター),右上は,1950年代頃の湯浅博士(提供: 山崎美和恵先生.身分証明書用に撮影)の写真です.また,これらの写真の下に,湯浅博士自身がよく口にしておられた言葉を引用しました.「自分自身のため でなく,科学の進歩のために研究して行かなければならない」は,湯浅博士への追悼ミサの中で,オルセー原子核研究所長リュウ(M. Riou)教授が,湯浅博士の言葉として紹介されたもので,「Jusqu'au bout最後まで徹底的に」は,湯浅博士の共同研究者の方たちが,よく聞いていたという言葉です.表紙の写真,言葉の引用と掲載に関しましては,埼玉大学 名誉教授の山崎美和恵先生と,お茶の水女子大学ジェンダー研究センターの舘かおる先生に,大変お世話になりました.紙面を借りて深く感謝いたします.
交 流
日本各地の縄文系対弥生系人口比率と日本人成立過程
住 斉,宇津巻竜也,伊藤 繁,石浦正寛,針原伸二 901
解 説
ダイヤモンド中の単一NV中心を用いた量子情報処理
水落憲和 910
小特集:湯浅年子生誕100年
はじめに 919
湯浅年子-科学とその人生 山崎美和恵 920
湯浅年子最後の研究 〈日仏共同研究〉:少数核子系実験をめぐって
桑折範彦 924
湯浅年子先生と少数粒子物理学国際会議の思い出
尾立 晋祥 928
叔母,湯浅年子の想い出 浅野侑三 935
最近の研究から
「世代」とは何だろうか?-統計的理解という新しい試み- 渡利泰山 937
JPSJの最近の注目論文から Vol. 78 (2009) No. 9より
髙山 一 942
シリーズ「"ポスドク" 問題」
やりがいのある仕事へ 百武幸子 945
追 悼
太田忠之先生を追悼する 岡村 浩 948
新著紹介 949
宇宙素粒子物理学 : 森 正 樹 〈立命館大理工〉
カーナビからはじめる相対性理論 : 椎 野 克 〈東工大院理〉
Stochastic Methods; A Handbook for the Natural and Social Sciences (4th ed.) : 水 野 貴 之 〈一橋大経済研〉
研究経費の競争原理強化による教育研究環境の変化
(II)科研費の配分状況調査から見えるもの
研究費配分に関する教育研究環境検討委員会 951
編集後記
長嶋 泰之