■表紙の説明
正20面体相Al-Mn合金の走査電子顕微鏡像[提供:蔡 安邦(東北大学多元物質科学研究所金属機能設計研究分野)].花弁のような組織は,液体急冷法で作製したAl-Mn合金中に現れたもので,室温時効後にAl相を選択的に電解研磨することにより,Al結晶から析出した準結晶相を露出させて観察された.Al-Mn準結晶は,Shechtmanらによって最初に発見された準結晶で準安定相の合金である.今日では様々な合金系で安定相の準結晶が見つかっており,それらを対象にした構造や物性の研究が準結晶研究の主流となっている.詳細は本号に掲載されている下田正彦氏の「現代物理のキーワード」記事を参照のこと.
■巻頭言
物理学会の2014年 兵頭俊夫 ...... 1
■現代物理のキーワード
美しく複雑な秩序 下田正彦 ...... 4
■交流
ペロブスカイト型Co酸化物のスピンクロスオーバー現象:その歴史と現状 浅井吉蔵,小林義彦,佐藤桂輔 ...... 6
■解説
アンダーソン局在の臨界現象―最近の実験・理論の新展開― 小布施秀明 ...... 14
■最近の研究から
反応-拡散-駆動系として理解する細胞の形態変化 石原秀至,澤井 哲 ...... 25
5d電子系イリジウム酸化物における新奇な絶縁体と超伝導 渡部 洋,白川知功,柚木清司 ...... 31
■実験技術
単一原子/光子を操作するナノ光ファイバー 白田耕藏 ...... 36
■JPSJの最近の注目論文から
9月の編集委員会より 安藤恒也 ...... 45
■平成26年度科学研究費助成事業(科研費,基盤研究等)審査結果報告
岩田高広,石橋延幸 ...... 48
■歴史の小径
アルバート・クルーと走査型透過電子顕微鏡の開発:単原子の観察 山口まり ...... 51
■ラ・トッカータ
ドイツ・ハレ ポスドク滞在記 篠原 康 ...... 54
■追悼
Manuel Cardona教授を悼んで 菅 滋正 ...... 56
■新著紹介 ...... 57
■男女共同参画推進委員会だより ...... 59