JPSJ 2015年12月号の注目論文
生体分子の運動における溶媒粒子の非平衡効果
近年、生体分子の運動にそのまわりの水などの溶媒粒子の密度分布が影響することが明らかになってきた。これまでの研究では、溶媒粒子は常に平衡状態にあると仮定されていたが、溶媒粒子の動きが狭い空間で制限されると、必ずしも平衡状態に緩和できるとは限らない。本研究では、運動している生体分子まわりの溶媒粒子のダイナミクスを計算する手法を開発した。この手法を大きい球がシリンダー状のカゴに挿入される場合に適用した結果、溶媒粒子の非平衡分布を得ることができ、カゴの底で平衡分布との違いが大きくなることが明らかになった。
詳しい説明はこちらから
原論文は以下よりご覧いただけます
Theoretical Method of Calculating Solvent Nonequilibrium Effect on Solute Movement
Ryohei Hara and Akira Yoshimori, J. Phys. Soc. Jpn. 84, 123601 (2015).