JPSJ注目論文

JPSJ 2009年4月号の注目論文

酸素貯蔵タンパク質「ミオグロビン」の酸素吸着メカニズムを解明

分子量約16500の中に鉄原子を一つだけ含むタンパク質「ミオグロビン」が、「ヘモグロビン」と同様に血液中で酸素を貯蔵・運搬する役割を担うことは古くから知られている。
 最近、理化学研究所、東京大学の原田慈久氏、辛埴氏らの研究グループは、固体物理研究で培われてきた軟X線共鳴発光分光と呼ばれる実験手法を用いて、ミオグロビンにおける、鉄原子の電子が担う酸素吸着のミクロ(量子力学的)なメカニズムを解明することに初めて成功した。
 タンパク質の機能性の解明に関する、電子状態解析という新たな視点からの重要な研究成果であり、多くの研究者の注目を集めている。
 なお、本研究に関連した、寺倉清之氏による解説 “Analysis of Biological Functions of Myoglobin from the Viewpoint of Condensed Matter Physics”がJPSJのNews and Comments欄http://journals.jps.jp/journal/jpsjnews/jpsj-nc_51.htmlに  掲載されている。
 どなたでもアクセスできるので、ご参照いただきたい。


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