物理系学術誌刊行センター

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物理系学術誌刊行センターについて

学会活動にとって世界に向けて最新の研究成果を発信する学術ジャーナルは重要なツールです。学術講演会での会員の 研究発表やそれをめぐっての討議、意見交換などの結果も、学術論文の形にまとまり出版されることで完結します。 論文誌の刊行は学会にとって最重要事業のひとつです。

一方で学術論文誌刊行の世界は大きな変動期にあります。それは欧米の有力学会、大手出版社などによる寡占化の動きと 電子ジャーナル化による出版形態の変革とがその2大要素です。

日本物理学会では英文論文誌の発行と頒布を集約化して効率的にするため、応用物理学会と協力して、2000年4月に 「物理系学術誌刊行協会」(Institute for Pure and Applied Physics、略称 IPAP)を設立しました。 英文論文誌「Journal of the Physical Society of Japan (JPSJ)」は、応用物理学会の「Japanese Journal of Applied Physics (JJAP)」「Applied Physics Express (APEX)」「Optical Review」 の3誌とともに刊行をこの IPAP に委託してきました。創立以来、IPAP の活動は電子化ジャーナルへの対応を含めて十分な 成果を挙げてきましたが、上記のような進行する状況のもとで新しい対応が必要になりました。このために両学会は 2008年4月をもって、 それまでの任意団体としての IPAP を発展的に改組し、両学会協同の内部組織といたしました。 名称も物理系学術誌刊行センターとなりました。

2008年の改組以来も、両学会は刊行センターのあるべき姿について協議を進め、2010年4月に新たなセンター運営に関する協定を結びました。 この際に刊行センターは Publication Center for Pure and Applied Physics、略称 PCPAP となりました。

2012年から、京都の理論物理学刊行会が発行していた「Progress of Theoretical Physics (PTP)」の後継誌である「Progress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP)」 の刊行を、刊行センターで開始しました。

刊行センターでは両学会の職員が共同で刊行作業にあたり、両学会会員からなる運営委員会はセンターの運営にあたるとともに 学術論文誌の将来像を模索しています。学会間でこのような共同の組織を運営している例はきわめて珍しく、世界に通用する 学術論文誌の刊行と言う困難な目的に対する手段として注目されています。

※物理系学術誌刊行センターは2024年3月31日付で解散しました。