JPSJ注目論文

JPSJ 2011年1月号の注目論文

「超流動ヘリウム3表面で実現するマヨラナフェルミ粒子」

マヨラナフェルミ粒子とは、粒子と反粒子が等価である未知素粒子である。
異方的な超流動体・超伝導体の表面近傍においては超流動性が弱められ、アンドレーエフ束縛状態と呼ばれる低エネルギー準粒子状態が超流動 ギャップエネルギー内に生じる。特にスピン3重項P波超流動体・超伝導体においては、この束縛状態がマヨラナフェルミ粒子と見なせる。
この準粒子のエネルギーはグラフェン上の電子のように運動量に比例し、分散関係は「マヨナラコーン」と呼ばれる。この研究では、超流動ヘリウム3-B相の高周波横波音響抵抗測定が表面アンドレーエフ束縛状態を感度良くとらえ、壁のラフネス(粗さ)を小さくするにつれて成長する横波音響抵抗の低エネルギーピークが、マヨラナコーンの存在に起因することを明らかにした。


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