JPSJ 2014年2月号の注目論文
新たな磁気相図をもつ鉄系超伝導体の発見
京都大学と浙江大学のメンバーからなる研究グループは、等価数置換系である鉄系超伝導体LaFe(As1-xPx)Oの超伝導・磁気状態のP置換依存性を調べ、この系では電子ドープ系のLaFeAs(O1-xFx)とは異なり、量子臨界ゆらぎと超伝導が密接に関係していること、Pを置換していくことで一度消失した反強磁性相が再び現れることを明らかにした。鉄系超伝導体において化学置換や圧力で基底状態が多彩に切り替わる物質の報告はこれまでになく、この物質が鉄系超伝導体の超伝導発現機構を解明する絶好の舞台になるとして期待が集まる。
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原論文は以下よりご覧いただけます
Relationship between Superconductivity and Antiferromagnetism in LaFe(As1−xPx)O Revealed by 31P-NMR
Shunsaku Kitagawa, Tetsuya Iye, Yusuke Nakai, Kenji Ishida, Cao Wang, Guang-Han Cao, and Zhu-An Xu, J. Phys. Soc. Jpn. 83, 023707 (2014).