JPSJ 2015年10月号の注目論文
磁気抵抗率の異方性の測定による薄膜での磁気スキルミオン形成の解明
近年スキルミオンというナノスケールの渦状磁気構造体が発見され、世界的に活発な研究が行われている。トポロジーという数学の観点から見るとスキルミオン構造は既存の磁気構造と異なる類に属し、それに特有の物性を示すことから次世代省電力メモリ材料の有力な候補と注目されている。本研究では、スキルミオン物質MnSiにおける大きな異方的磁気抵抗効果を発見し、さらにこの物性を用い、薄膜化したMnSiデバイスにおいても面内に整列したスキルミオン状態が形成されることを観測した。これは将来の“スキルミオン記録素子”中の情報ビット検出法の可能性も示唆する。
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原論文は以下よりご覧いただけます
Formation of In-plane Skyrmions in Epitaxial MnSi Thin Films as Revealed by Planar Hall Effect
Tomoyuki Yokouchi, Naoya Kanazawa, Atsushi Tsukazaki, Yusuke Kozuka, Akiko Kikkawa, Yasujiro Taguchi, Masashi Kawasaki, Masakazu Ichikawa, Fumitaka Kagawa, Yoshinori Tokura, J. Phys. Soc. Jpn. 84, 1047082 (2015).