JPSJ注目論文

JPSJ 2018年3月号の注目論文

拡張された多極子が導く新たな電気磁気効果

 本論文は金属反強磁性体UNi4Bに対し電流下の磁化測定を行い、電流印加により反強磁性秩序相内で付加的に磁化が誘起される現象を観測した実験結果を報告している。本系の反強磁性は空間的に拡張された多極子の一つである磁気トロイダルモーメントの強的秩序とみなせるため、金属化合物におけるこの新しい電気磁気効果の発見は、先行する理論が本質的に正しいことを実験的に示している。本成果により今後は多様な反強磁性体が電気磁気効果や拡張された多極子の研究の舞台となると期待される。

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原論文は以下よりご覧いただけます
Evidence of a New Current-Induced Magnetoelectric Effect in a Toroidal Magnetic Ordered State of UNi4Bd
Hiraku Saito, Kenta Uenishi, Naoyuki Miura, Chihiro Tabata, Hiroyuki Hidaka, Tatsuya Yanagisawa, and Hiroshi Amitsuka, J. Phys. Soc. Jpn. 87, 033702 (2018).






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