第78期活動報告
コロナ禍の影響が多々残るが、本会と社会との関わりや社会への発信、社会との連携を強化するための施策を継続的に検討・実施してきた。大会における企業展示の強化とランチョンセミナー、共催シンポジウムなどを継続している。ただし、オンライン形式の大会のときには企業展示を取りやめている。
また、次世代人材育成・社会連携委員会で「次世代人材育成プロジェクト」強化の検討を行った。個人・団体・企業等からの寄付の受け入れ体制を整備し、寄付金が少しずつ増加した。特に、このプロジェクトに企業が積極的にかかわる形を検討し、来年以降に実施することを検討した。従来の科学セミナーを「オンライン物理講話」に衣替えしてオンラインによって実施・継続し、好評を得ている。特に、オンライン物理講話は、会友制度を一般市民や高校生にまで広げるために魅力的なコンテンツとなっている。その他に、本会会員が行ったプレスリリースのまとめサイトを本会ホームページ上に新設し、そ
の情報を会友・賛助会員メールマガジンで広報している。公開講座は3年ぶりにオンライン併用の現地開催を行い、好評を博した。
以下、次世代人材育成プロジェクトの各事業計画について記す。
6-1) Jr.セッション
2022年は年次大会のオンライン開催に伴い、2021年に引き続きオンラインで実施した。応募数は2021年と同程度の102件であった。オンラインでの実施が2年目になり、基本的に1年目と同様の方式での実施であったが、業務の効率化を図りながらより有効な参加者の交流ができるように細かい改善を行った。2021年と大きく異なる点は年次大会期間以外に実施したことであり、これにより、大会のスケジュールに影響されずに審査員の参加が可能になった。2023年以降も3月の大会のオンライン開催が予定されているため、2023年は引き続きJr.セッションもオンラインで行う予定だが、今後の実施方法については検討を始めた段階である。実施方法だけではなく、費用面でも、持続可能な運営のために、従来のプログラム広告に加えてスポンサーの発掘などにより収入を得ていく必要があり、具体的な検討を進めた。なお、次世代人材育成の寄付金から2022年のJr.セッションの実施費用の一部が拠出されている。
6-2) オンライン物理講話
2日間の一般向け集中講義として長年にわたり行われてきた科学セミナーは、毎年会場満員の盛況を続け、アウトリーチ活動の中心であると共に、寄付呼びかけの機会でもあった。しかし、赤字体質の事業であったことや、東京近辺以外の人が参加できないなどの問題もあった。そこで、2020年に新型コロナの影響により開催中止となったのを契機に、科学セミナーを衣替えし、1人の講師が1時間半の持ち時間で行うオンライン講演「オンライン物理講話」を2か月に1回程度のペースで実施することとした。
2022年も合計6回実施し、毎回全国から(時には海外からも)300~400人程度の会員・会友・一般参加者の聴講があり、好評を博している。
6-3) キャリア支援イベント
キャリアパス関係事業として2018年までキャリア支援センターが中心となり行ってきた理工系(物理関連分野)人材のためのキャリアフォーラムおよび私立中高向け「理系教員選考会」を終了し、代わって次世代人材育成・社会連携委員会が開催する大会のキャリアパス展示会を充実させてきた。これに伴い、キャリア支援センターを閉じ、webコンテンツを学会サーバー上に移行した。第75回年次大会(2020年)、第76回年次大会(2021年)、第77回年次大会(2022年)は現地開催中止のため本イベントも中止となった。今後、現地開催の年会・大会での開催形態を検討したうえでキャリア支援イベントを
実施する予定である。
6-4) 物理教育関連事業
物理教育関連事業に関しては、物理教育委員会の活動報告書を参照してください。