JPSJ注目論文

JPSJ 2018年6月号の注目論文: 励起で探る量子ホール効果のエッジ状態

励起で探る量子ホール効果のエッジ状態

本論文では、2次元電子系基板表面に配置したコプレーナ型導波路を用いたマイクロ波透過率の測定およびマイクロ波加熱による熱起電力の測定が行われ、整数量子ホール効果のエッジ状態に励起されるエッジ・マグネトプラズモンの観測がなされている。エッジはゲート電極により静電的に導入され、観測された励起周波数のゲートバイアス依存性は、エッジの位置およびエッジ状態内の電子濃度分布の変化に対応するものであることが明らかにされている。

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原論文は以下からご覧いただけます。
Frequencies of the Edge-Magnetoplasmon Excitations in Gated Quantum Hall Edges
Akira Endo, Keita Koike, Shingo Katsumoto, and Yasuhiro Iye, J. Phys. Soc. Jpn. 87, 064709 (2018).


JPSJ 2018年6月号の注目論文: 有機超伝導体の隣接絶縁相のゼロ磁場下磁気構造と特異なスピンフロップ現象

有機超伝導体の隣接絶縁相のゼロ磁場下磁気構造と特異なスピンフロップ現象

ここ20年あまりの期間で最も研究された有機伝導体であるκ型BEDT-TTF塩の磁性相のゼロ磁場下磁気構造を明らかにした。また、すでに知られていた磁化のとびが、磁化容易軸による古典的なスピンフロップ現象ではなく、Dzyaloshinskii-Moriya相互作用によって誘起されたキャントモーメントの反転現象であることを明らかにした。

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原論文は以下からご覧になれます

Zero-Field Spin Structure and Spin Reorientations in Layered Organic Antiferromagnet, κ-(BEDT-TTF)2Cu[N(CN)2]Cl, with Dzyaloshinskii-Moriya Interaction
Rui Ishikawa, Hitoshi Tsunakawa, Kohsuke Oinuma, Shinji Michimura, Hiromi Taniguchi, Kazuhiko Satoh, Yasuyuki Ishii, and Hiroyuki Okamoto: J. Phys. Soc. Jpn. 87, 064701 (2018)