JPSJ 2018年12月号の注目論文: 異なる巨視的量子状態の界面を繋ぐ電子
異なる巨視的量子状態の界面を繋ぐ電子
「超伝導」と「量子ホール効果」はともに、マクロな試料においても電子の波動性が顕著に現れる物理現象である。抵抗を生じない超伝導と、電極との界面でのみ抵抗を生じる量子ホール状態との接合で、どのような物理的状態が実現するかについて、まだ統一的には理解されていない。本論文では、酸化亜鉛ヘテロ界面の2次元電子系が低温・強磁場で示す量子ホール状態と超伝導体MoGeとの接合を作製し、伝導度の電圧スペクトルより界面の物理的状態に関する知見を得た。この知見は、量子ホール/超伝導界面で予測されている非可換なトポロジカル状態の実現に向けた重要な成果と言える。
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原論文は以下からご覧いただけます
Andreev Reflection at the Interface with an Oxide in the Quantum Hall Regime
Yusuke Kozuka, Atsushi Sakaguchi, Joseph Falson, Atsushi Tsukazaki, Masashi Kawasaki, J. Phys. Soc. Jpn. 87, 124712 (2018).