JPSJ 2019年2月号の注目論文: Gd化合物で見つかったスピン三量体のらせん磁気秩序
Gd化合物で見つかったスピン三量体のらせん磁気秩序
三角格子やカゴメ格子,パイロクロア格子など,全体でつじつまの合うスピン配置を見出しにくい磁性体はフラストレーション系と呼ばれ,単純な予想とは異なる秩序構造や様々な量子効果が出現する舞台として注目を集めてきた.本研究では,Gdイオンが変形カゴメ格子をなすGd3Ru4Al12という物質において,3つの4f電子スピンが強磁性的に結合したスピン三量体を形成し,さらにそれが低温でらせん秩序を起こすという,極めて特殊な新種の秩序状態が見出された.
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原論文は以下からご覧いただけます
Helical Ordering of Spin Trimers in a Distorted Kagome Lattice of Gd3Ru4Al12 Studied by Resonant X-ray Diffraction
Takeshi Matsumura, Yusaku Ozono, Shintaro Nakamura, Noriyuki Kabeya, and Akira Ochiai: J. Phys. Soc. Jpn. 88, 023704 (2019).