JPSJ 2019年4月号の注目論文: ウラン化合物の新奇エキゾチック超伝導
ウラン化合物の新奇エキゾチック超伝導
東北大学金属材料研究所とCEA-Grenobleの研究チームは、ウラン化合物UTe2の新奇な超伝導状態を明らかにした。この物質ではスピン三重項という特殊な超伝導状態であり、このため磁場を加えても壊れにくい超伝導が実現している。また、ウランの5f電子がゆっくりと結晶中を動きながら伝導に寄与しており、「重い電子状態」が実現している。一方、伝導を担うキャリア数が小さな半金属でもあるため、今後、新奇な電子状態が次々に明らかになることが期待される。
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原論文は以下からご覧いただけます。
Unconventional Superconductivity in Heavy Fermion UTe2
Dai Aoki, Ai Nakamura, Fuminori Honda, DeXin Li, Yoshiya Homma, Yusei Shimizu, Yoshiki J. Sato, Georg Knebel, Jean-Pascal Brison, Alexandre Pourret, Daniel Braithwaite, Gerard Lapertot, Qun Niu, Michal Vališka, Hisatomo Harima, and Jacques Flouquet, J. Phys. Soc. Jpn. 88, 043702 (2019).