JPSJ注目論文

JPSJ 2019年8月号の注目論文: 磁性体の非平衡定常状態におけるマグノンケミカルポテンシャル発現機構

磁性体の非平衡定常状態におけるマグノンケミカルポテンシャル発現機構

磁性体の低エネルギー励起を記述するマグノンの非平衡定常状態でのケミカルポテンシャルを、2種類の磁場によるパラレルパンピングの手法を使うことで、有限にできることが知られていた。しかし、その発現機構が理論的に未解明であった。最近、フェリ磁性体のパラレルパンピングに関する新しい理論による研究が行われ、その発現機構が解明された。その研究を発展させることで、磁性体のマグノンの非平衡物理現象のより深い理解や磁気構造の違いを利用する応用への展開につながると期待できる。

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原論文は以下からご覧いただけます。
Mechanism for a Chemical Potential of Nonequilibrium Magnons in Parametric Parallel Pumping
Naoya Arakawa, J. Phys. Soc. Jpn. 88, 084704 (2019).

JPSJ 2019年8月号の注目論文: 外部磁場なしでのランダウ準位の理論解析

外部磁場なしでのランダウ準位の理論解析

固体中の電子が空間的に非一様な摂動を感じると外部磁場なしでもランダウ準位が形成され量子振動などが観測される可能性がある。本研究ではその現象が最も顕著に現れるディラック電子系の理論解析を行い、観測可能な非外部磁場由来のランダウ準位の数を与える簡潔な公式を導出している。その簡潔な公式は該当する現象の本質の理解を助けるほか、非外部磁場由来のランダウ準位による新奇現象のための物質設計に有用である。

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原論文は以下からご覧いただけます。
Counting Pseudo Landau Levels in Spatially Modulated Dirac Systems
Toshikaze Kariyado, J. Phys. Soc. Jpn. 88, 083701 (2019).