JPSJ注目論文

JPSJ 2019年11月号の注目論文: スピン自由度をもつ超伝導 -ウラン化合物UTe2における超伝導状態のスピン磁化率測定-

スピン自由度をもつ超伝導
-ウラン化合物UTe2における超伝導状態のスピン磁化率測定-

京都大学大学院理学研究科、原子力機構(JAEA)先端基礎研究センター、東北大学金属研究所の研究チームは、ウラン化合物UTe2において、非従来の超伝導がスピン三重項状態で実現していることの微視的証拠を得た。スピン三重項超伝導は候補物質が少なく、その多くが磁性と共存していることから、詳細な性質は明らかになっていなかった。今後は磁性と共存しないUTe2の超伝導状態の研究から、固体で実現するスピン三重項対状態の性質が解明されていくことが期待される。

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原論文は以下からご覧いただけます。
Superconducting Properties of Heavy Fermion UTe2 Revealed by 125Te-nuclear Magnetic Resonance
Genki Nakamine, Shunsaku Kitagawa, Kenji Ishida, Yo Tokunaga, Hironori Sakai, Shinsaku Kambe, Ai Nakamura, Yusei Shimizu, Yoshiya Homma, Dexin Li, Fuminori Honda, and Dai Aoki, J. Phys. Soc. Jpn. 88, 113703 (2019).