JPSJ 2023年1月号の注目論文:磁気秩序と極性構造歪みを併せ持つトポロジカル半金属における超伝導の発見
BCS理論で記述される従来型の超伝導は、時空間反転対称性の破れを伴う磁気秩序や極性構造歪みとは一般に相容れない。このため、磁性と極性の両者を伴う系における超伝導は非従来型であることが期待される一方で、実験的報告は限られていたが、本研究において層状の極性構造を持つ磁性半金属EuAuBiが、試料表面に敏感な超伝導を示すことを見いだされた。さらに、この超伝導が面直磁場に対してパウリ極限を超える臨界磁場を示すことから、ラシュバ型スピン分裂に起因した非従来型の超伝導状態が実現している可能性が示唆された。
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原論文は以下からご覧いただけます。
Superconductivity in a Magnetic Rashba Semimetal EuAuBi
Hidefumi Takahashi, Kazuto Akiba, Masayuki Takahashi, Alex H. Mayo, Masayuki Ochi, Tatsuo C. Kobayashi, and Shintaro Ishiwata,
J. Phys. Soc. Jpn. 92, 013701 (2023)