JPSJ注目論文

JPSJ 2023年9月号の注目論文:強磁場ESRで明らかになったS = 1/2一次元反強磁性体の磁気励起状態

スピン量子数S = 1/2の一次元反強磁性体は、その基底状態や磁気励起状態に量子多対効果に起因した特徴的な現象が生じることが知られている。本研究では、Ising型の磁気異方性をもつS = 1/2一次元反強磁性体の良いモデル物質であるCsCoCl3について、50テスラを超すパルス強磁場下で電子スピン共鳴(ESR)測定を行ったところ、この系の磁場誘起による量子相転移に関係した磁気励起状態の興味深い振る舞いが観測された。

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原論文は以下からご覧いただけます。
Magnetic Excitation in the S = 1/2 Ising-like Antiferromagnetic Chain CsCoCl3 in Longitudinal Magnetic Fields Studied by High-field ESR Measurements
Shojiro Kimura, Hiroaki Onishi, Kouichi Okunishi, Mitsuru Akaki, Yasuo Narumi, Masayuki Hagiwara, Koichi Kindo, and Hikomitsu Kikuchi, J. Phys. Soc. Jpn. 92, 094701 (2023).