JPSJ注目論文

JPSJ 2024年4月号の注目論文:どちらが動いている? -イオンとミュオンの運動を区別する-

ミュオンスピン緩和法(µSR)では、スピン偏極したミュオンを物質中に注入することで内部磁場の分布やその時間的な揺らぎを観測することができる。しかしながら、揺らぎについてはその原因がミュオン自身の運動なのか、それとも内部磁場の起源である磁気モーメントを持つイオンの運動なのかを区別するのは難しいと考えられていた。今回、スピン緩和を記述する前提である「強衝突モデル」を見直すことで、揺らぎの原因の違いが緩和関数の違いとなって現れることが見出された。これによって、µSRデータのみで内部磁場の揺らぎの原因を区別する道が開かれたといえる。

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原論文は以下からご覧いただけます
Distinguishing Ion Dynamics from Muon Diffusion in Muon Spin Relaxation
Takashi U. Ito and Ryosuke Kadono, J. Phys. Soc. Jpn. 93, 044602 (2024).