JPSJ 2024年11月号の注目論文:磁気音響共鳴があぶり出す四極子・八極子自由度
電気四極子や磁気八極子などの磁性に由来する多極子の自由度は、通常は電子スピンの磁気的性質に隠れていて、その直接的検出は難しい。最近、表面弾性波を利用した磁気音響共鳴による四極子自由度の観測の可能性が示された。本研究は、磁性原子の結晶場四重項状態に対して、四極子や八極子の特徴を捉える新たな超音波共鳴法を提案している。特に、f電子系で長年研究されているCeB6の多極子物性の解明に向けた本研究の提案は重要である。また、強磁場下での測定にも対応するために、超音波とマイクロ波を組み合わせる全く新しい共鳴法も提案している。
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原論文は以下からご覧いただけます
Theory of Magnetoacoustic Resonance to Probe Multipole Effects Due to a Crystal Field Quartet
Mikito Koga and Masashige Matsumoto
J. Phys. Soc. Jpn. 93, 114701 (2024).