JPSJ注目論文

JPSJ 2025年5月号の注目論文:半導体量子ドットを用いた超伝導ダイオード

超伝導ダイオード効果とは超伝導電流の最大値(臨界電流値)が向きによって異なる現象であり、エネルギーロスのない整流素子への応用面からも注目されている。最近、半導体2重量子ドットに3個の超伝導電極を接続したデバイスが研究され、高いダイオード効果を示すことがわかった。ダイオード効果の増大は、超伝導位相の2次元空間における特異点(ディラック点)に起因する。

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原論文は以下からご覧いただけます
Superconducting Diode Effect in Double Quantum Dot Device
Go Takeuchi, Mikio Eto, J. Phys. Soc. Jpn. 94, 054701 (2025).

JPSJ 2025年5月号の注目論文:カイラル螺旋結晶における電子・カイラルフォノン相互作用の理論

カイラル螺旋結晶において, 対称性を反映したカイラルフォノンの波動関数を用いることによって, 電子とカイラルフォノンの相互作用の一般論が構築された. この相互作用の頂点関数は, 頂点における波数と結晶角運動量の保存則を適切に取り込んだものとなっている. さらに, カイラルフォノンの波動関数を用いて, Lipkin's Zilchとして知られる光学におけるカイラリティの尺度の類似物が定義され, 結晶角運動量との関連が明らかになった.

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原論文は以下からご覧いただけます
Electron-Chiral Phonon Coupling, Crystal Angular Momentum, and Phonon Chirality
Tomomi Tateishi, Akihito Kato, and Jun-ichiro Kishine, J. Phys. Soc. Jpn. 94, 053601 (2025).