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PTEP招待論文・特集論文

PTEP 2016年6月号の招待論文

エキゾチックハドロンの発見とその解明

  物質を構成する最も基本的な粒子であるクォークは単体で存在でき ず、「ハドロン」に閉じ込められています。これまでに知られてい るハドロンは、クォーク3個でできたバリオンとクォーク・反クォー ク対でできたメソンだけでした。2003年に高エネルギー加速器研究 機構(KEK)のBファクトリー実験(Belle実験)で発見された、 X(3872) という幅の狭い共鳴状態は、4クォーク状態として解釈され 注目を浴びました。さらにクォーク反クォークとして解釈できない 状態なども次々と発見され、4クォーク状態の存在は確実となりまし た。3クォークやクォーク・反クォーク対と解釈できないハドロンを エキゾチックハドロンと呼びます.本論文では主にハドロン分子構 造を用いたエキゾチックハドロンの最近の理論研究を紹介しました。 エキゾチックハドロンの研究は、超高温や超高密度などの極限状況 における、ハドロン物質からクォーク-グルーオン物質への相転移 にも関連するテーマであり、広く現代物理学の基礎としてのゲージ 理論による物質世界の理解にも役立つと期待できます。


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原論文は以下よりご覧いただけます
Exotic hadrons with heavy flavors: X, Y, Z, and related states
Atsushi Hosaka, Toru Iijima, Kenkichi Miyabayashi, Yoshihide Sakai, and Shigehiro Yasui, Prog. Theor. Exp. Phys. 2016, 062C01 (2016)