PTEP 2016年10月号の招待論文
科学における異文化間の協力を実現する素粒子物理
著者の G. ミッケンベルグ (G. Mikenberg) 氏は、戦後初めてドイツの DESY 研究所に滞在して高エネルギー物理実験を行ったイスラエル人研究者です。この PTEP 招待論文は、第2次世界大戦後から現在に至るまでのヨーロッパにおける素粒子物理学研究の発展過程を、異文化間の国際協力という観点から綴った、著者自身の体験に基づく異色の記事です。ヨーロッパ中央素粒子原子核研究所 (CERN) が戦後いかにしてドイツ人研究者を受け入れ、ヨーロッパの、そして世界の科学界へ溶け込ませたか、更に、ホロコースト後のドイツとイスラエルとの外交関係を再形成する出発点として CERN が演じた役割について述べられています。この論文には,将来の巨大科学国際プロジェクトを形成するに当たっての、貴重な経験と情報が含まれています。
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原論文は以下よりご覧いただけます
Particle physics as a way to bring different cultures to work together in science
G. Mikenberg, Prog. Theor. Exp. Phys. 2016, 102C01 (2016)