2025年度 世田谷区中学生講座(新・才能の芽を育てる体験学習:サイエンス・ ドリーム 気分は大学生!本物の物理や科学を体験してみよう!)
世田谷区教育委員会主催、日本物理学会協賛の「世田谷区中学生講座(新・才能の芽を育てる体験学習:サイエンス・ドリーム気分は大学生!本物の物理や科学を体験してみよう!)」では世田谷区立中学校在学の中学生及び世田谷区内在住の中学生を対象に、物理や科学に対する驚きや楽しさを体感してもらうことを目的として、普段の授業では体験できない実験や施設の見学などの講座を行っております。
今年度は1日で2テーマの講座を同時開催いたしました。いずれのテーマも会場としている電気通信大学の大学1年生が授業で使用する実験設備をそのまま使用し、実験内容のみ中学生向けにアレンジしたものです。例年と異なり開催日が夏休み終了間際になってしまい、少ない参加者となってしまいました。
お問合せ先 : 世田谷区教育委員会事務局 地域学校連携課
TEL : 03-5432-2723
新・才能の芽を育てる体験学習「サイエンス・ドリーム」
| 会場 日時 定員 |
国立大学法人 電気通信大学 8月26日(火)13時30分~15時30分 2テーマ各12名 |
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講座①「電気の波形を観察しよう」(参加者数:7名)
電気回路の実験で使う装置を用いて、ヒステリシス特性を持つシュミットトリガーインバータを使った発振回路を製作しました。特に、圧電スピーカーとLEDを接続することで、電気信号の周期的な変化が音と光としてどのように現れるかを観察するとともに、オシロスコープで目に見えない電気信号の時間変化を可視化することに取り組みました。
最初に、ブレッドボードの使い方を確認しました。乾電池、抵抗、白色LEDをブレッドボード上に接続し、LEDが点灯する基本的な回路を組みました。次に、シュミットトリガーインバータ、コンデンサ、抵抗、そして圧電スピーカーを用いて、周期的な信号を発生させる発振回路を製作しました。電池を接続すると、スピーカーから周期的な音が発生することを確認しました。また、回路にLEDを並列に接続し、スピーカーから音が出るタイミングに合わせてLEDが点滅することも確認しました。さらに、オシロスコープを接続してスピーカーにかかる電圧の変化を観測し、電圧が時間とともに変化する様子を視覚的に捉えました。次に、回路の抵抗値を変化させることで、スピーカーの音とLEDの光の変化を観察しました。この回路の仕組みを「ししおどし」に例えながら、コンデンサの充電と放電の繰り返しで発振すること、また抵抗値の違いによって充電・放電の周期が変化することの説明を受けました。最後に、鉛筆で描いた可変抵抗器を使って音の変化を試みました。紙に鉛筆で黒い帯を描画し、これを抵抗体として使用しました。中学生たちは、鉛筆で塗る濃さや線の太さを工夫することで抵抗値が変化することを学び、さらに電極を押さえる位置を変えることで、音の高さが変わることを試行錯誤しながら確かめました。


講座②「この光は何色?」 (参加者数:2名)
はじめにプリズムを用いた直視分光計を用いて蛍光灯の光を観察しました。蛍光灯の「白色」が、さまざまの色から作られていることを確認しました。続けて、色についての講義があり、たとえば「赤」という色を正しく指定するには、数値化された量が必要で、その一つが波長であることが紹介されました。今回のメインの課題は、水素の放電管からの光を回折格子を用いた分光計で分光し、その波長を求めること、です。
実際に大学1年生が学生実験で使用している分光計を用いて、水素の放電管からのピンク色(参加者の表現です)の光を観察しました。回転台にのったコリメータと望遠鏡、そして中心におかれた透過型回折格子からなる分光計を使います。まず、入射光をそのまま観察する方向(回折角がゼロ度)でピンク色の光を観察した後、望遠鏡をゆっくり回転させ、回折された光を見つけます。回折された光はピンク色ではなく、紫色だったり、青緑色だったりします。回折角を丁寧に計測し、ワークシートに記入しました。中学生はまだ三角関数を学習していないので、sin関数の値はあらかじめ用意したグラフから読み取ることで値を得て、回折格子の格子間隔(これもあらかじめ与えられています)から波長をnm単位で計算しました。テキストにはバルマー系列の計算まで出来るように用意はされていましたが、それは自宅で計算してみることとし、理科年表に掲載されている「もっとも確からしい値」と比較し、上手に計測できたことを確認しました。
欠席者もあり、2名という少人数での講座となってしまいましたが、ほぼマンツーマンの指導となり、参加した生徒にとっては中身の濃い内容になったと思います。


