日本物理学会誌

第55巻 第8号(2000)

cover0008.jpg表紙から
左: Fluorescence in situ hybridization実験より得られたヒト染色体の複製前中期像。 蛍光標識した核酸(プローブ)が染色体上の特定核酸に相補的な塩基配列で特異的に複合体を形成する性質(ハイブリダイゼーション)を利用。 蛍光顕微鏡 (NikonMicrophoto-FXA)で観察。(フィルターの励起と吸収はそれぞれ450-490nm, 520nm, 倍率10×100, 撮影露光時間60秒)。
右上: 蛍光自動塩基配列決定装置(ABI373 DNAシーケンサー)の実際の出力例。 各塩基(G,A,T,C)に対応する4色の蛍光強度から塩基の配列を決定する。
右下: DNAチップの解析例. 異なる遺伝子をコードするDNA断片をスライドガラスに格子状に固定し, 蛍光標識したプローブをハイブリダイゼーションした結果。 各遺伝子に対応する各ドットの蛍光強度から, プローブ溶液中の特定の遺伝子量を推定する。 写真は計算処理で疑似着色したもので, 実際の蛍光色素の色ではない。 詳細は本号交流欄参照。(かずさDNA研究所 小原 收氏提供)



特別
柴田徳思: 東海村JCO臨界事故
交流
小原 収: ゲノム解析は生命の物理学に何をもたらすのか?
解説
鈴木厚人: 新しいニュートリノ研究領域を拓くKamLAND実験
最近の研究から
小山富男: 高温超伝導体におけるジョセフソンプラズマ振動の量子論
安原 洋、樋口雅彦、吉永 尚: 角度分解光電子分光で測定される単純金属のバンド幅はなぜ狭いか?
話題
山口昌弘: 時空は4次元か?-余次元の物理の可能性-
大桑良彰: 医科大学におけるセンター試験と学内成績の相関および入試改革の注意点
特別
講演 P.W.Anderson、序にかえてと訳注 小形正男: 科学における創発性、還元主義、シームレスウェブ
談話室
北原和夫: ヨーロッパにおける教育の実験-「エラスムス」計画-
村上 泉: 原子分子素過程データベース
新著紹介
表  実: 佐藤文隆: いまさら宇宙論?
清水 明: D.ドイッチュ著 林一訳: 世界の究極理論は存在するか; 多宇宙理論から見た生命、進化、時間
廣政直彦: 久米邦武美術館編: 久米邦武文書二; 科学技術史関係
草部浩一: 高田康民: 多体問題
塚田 捷: 大津元一荒川泰彦五神 真橋詰富博平川一彦編: 量子工学ハンドブック
編集後記
諏訪牧子