日本物理学会誌

「実験技術」欄の執筆をされる方へ

会誌編集委員会では、さまざまな研究分野の会員に興味深く読まれる記事をめざしています。そのため、執筆者には、(1)分野内の若手研究者や学生の興味を惹き、将来の研究の指針となる、また(2)分野外の会員が新しい発想を生むきっかけとなる、記事を執筆していただくことをお願いしています。

【「実験技術」欄で期待される記事内容】
「実験技術」欄は、広い範囲の人々にとって興味のある実験法について、その原理と技術上の問題点、それが貢献できる物理の分野などを紹介する記事欄です。なお、「実験技術」欄の記事は、その分野を専門としない方にも閲読をお願いすることになっております。他分野の研究者の視点から、原稿の修正をお願いすることがありますので、あらかじめご了承ください。

【執筆の注意点】

  • 読者を惹きつける工夫したタイトルをつけてください。
  • 本文の冒頭にリードページをつけてください(詳しくは【リードページの作成について】と【リードページの作成のヒント】を参照のこと)。
  • 分野外の読者でも、研究の要点が理解できるように配慮してください。
  • 記事のはじめ(記事分量の1/3程度)の部分では、研究動向や重要な概念の説明などの背景説明にあて、分野外の読者でも理解できるようにしてください。
  • 記事を魅力的なものにするため、美しい図表を含めることを推奨します。
  • 投稿規定のページ制限を厳守ください。
  • よく見えるように図の大きさやキャプションの文字の大きさに注意してください(詳しくは次の【図についてのお願い】を参照のこと)。


【図についてのお願い】

  • 図の文字は判読しやすい大きさにしてください。掲載されるサイズに縮小したとき8ポイント以上が目安です。
  • グラフの軸やタグはなるべく日本語に直してください。
  • ページ制限に収めるために図のサイズを縮小することは控えてください。
  • 1段に複数の図を詰め込むことは避け、2段分を使うこともご検討ください。
  • 不鮮明な図は作り直すことをご検討ください。
  • 転載の場合はクレジットを必ず記載してください。記載の仕方は転載元の指示に従ってください。


【リードページの作成について】
リードページは記事のアブストラクトではありません。記事の研究分野で何が課題になっているか、どのような進展があったのか、などについて、わかりやすく記述するものです。初学者や異分野の研究者にも物理のエッセンスや面白さが伝わるように執筆してください。以下にリードページの編集方針について列挙します。

  • 分野外の読者に、研究の全体像(背景を含む)がわかることが求められます。
  • 記事の主要な結果やその意義について具体的に記述してください。その際に、リードページだけで完結した内容にしてください。そのため「本稿では・・・について説明する」などの表現は使えません。説明を本文に託さないでください。
  • リードページの記事本体(右欄は除く)は1,100文字以上、1,300文字以内です。
  • 読者の助けとなるように、リードページ中に現れる専門用語について、右欄に用語解説を付してください。初学者や分野外の読者へのわかりやすさを重視し、また、用語解説の分量を適切なものにするため、具体的な改訂案や解説すべき用語を提示する場合があります。リードページ中に現れる用語解説の初出の用語には色を付しています。
  • リードページの文章を記事本体に転用することは控えてください。
  • 参考文献は引用しないでください。
  • 略語の使用はなるべく避けてください。
  • 用語解説欄に図を1つ程度掲載することを奨励します。但し、図は小さいため多数の図を用いた説明は避けてください。
  • リードページは原則として学会HP上で一般公開する予定です。あらかじめご了承ください。


【リードページ作成のヒント】

  • リードページの前半で研究背景と鍵となる物理概念や現象,用語の解説を行い、記事の後半で主要な結論を示すと、バランスよく,読みやすくなるようです。
  • 冒頭がわかりやすく魅力的だと読者に読みたい気持ちが生じます。リードページを読んだ読者に、続いて記事そのものを読んでもらえるように,書き出し部分は工夫してください。
  • パラグラフライティングにより、わかりやすい文章にしてください。パラグラフライティングとは、パラグラフを論理的につなげて文章を作成する方法です。パラグラフ(段落)とは、ある一つの小主題とそれに関する著者のある一つの主張を行うものです。パラグラフには、その小主題を一文で表すトピックセンテンスが必ず含まれます。トピックセンテンスは、原則、パラグラフの最初に置きます。トピックセンテンスをつなげて読むだけで全体がわかります。
  • 1文の長さは2行(40~50文字程度)を目安にしましょう。簡潔に書くことにより、過剰が削除され、不足な言葉が補われます。重文や複文も自然となくなり、読みやすくなります。
  • パラグラフ(段落)は5-10行(200-400文字程度)を目安にしましょう。適切な小主題の設定によるパラグラフ構成(段落分け)が読みやすさを向上させます。