第56巻 第1号(2001)
表紙から
光合成細菌の一種であるRhodopseudomonas acidophilaの光捕集アンテナ複合体LH2の立体構造(PDBコード1kzu)。これは細菌の膜に存在する膜タンパク質で,光合成に必要な光を効率よく集める。この構造は9つのサブユニットが円形に並び,各サブユニットは2つのタンパク質チェイン(緑色)により構成されている。これらのタンパク質はその螺旋構造(αヘリックス)を膜に垂直に突き通すように存在し,色素分子であるバクテリオクロロフィル(赤色)とカロテノイド(黄色)を固定している。詳細は本号向井宏一郎氏,他著 最近の研究から欄参照。(電子技術総合研究所 諏訪牧子氏)
光合成細菌の一種であるRhodopseudomonas acidophilaの光捕集アンテナ複合体LH2の立体構造(PDBコード1kzu)。これは細菌の膜に存在する膜タンパク質で,光合成に必要な光を効率よく集める。この構造は9つのサブユニットが円形に並び,各サブユニットは2つのタンパク質チェイン(緑色)により構成されている。これらのタンパク質はその螺旋構造(αヘリックス)を膜に垂直に突き通すように存在し,色素分子であるバクテリオクロロフィル(赤色)とカロテノイド(黄色)を固定している。詳細は本号向井宏一郎氏,他著 最近の研究から欄参照。(電子技術総合研究所 諏訪牧子氏)
- 巻頭言
- 鈴木増雄: これからの日本物理学会
- 解説
- 菱川明栄、山内 薫: 強光子場中の分子-配向、変形、爆発-
- 鳥居祥二、槙野文命: 宇宙ステーションからの宇宙線観測
- 井元信之、小芦雅斗: 量子暗号と量子論
- 実験技術
- 酒見泰寛: エアロジェルを発光体としたRICH検出器の開発
- 最近の研究から
- 向井宏一郎、阿部修治、住 斉: 光合成細菌は励起子を利用してエネルギー伝達を行う
- 前川禎通、筒井健二、遠山貴己、石原純夫: 共鳴非弾性X線散乱を用いたモット・ギャップの研究
- 話題
- 守谷 亨: 高温超伝導機構としてのスピンゆらぎと超交換相互作用-大川房義氏に答えて-
- 大川房義: 守谷先生のご批判に答える
- 学界ニュース
- 生駒俊明: 2000年度ノーベル物理学賞; Zhores I.Alferov 氏、Herbert Kroeme氏、Jack S. Kilby氏
- 鹿児島誠一: 2000年度ノーベル化学賞; Alan J.Heeger氏, Alan G.MacDiarmid氏、白川英樹氏
- 井ノ口馨: 2000年度ノーベル生理学・医学賞; Arvid Carlsson氏, Paul Greengard氏、Eric Kandel氏
- 三間圀興: 2000年度James Clerk Maxwell 賞: 長谷川晃氏
- 談話室
- 青木 薫: 科学書翻訳の愉しみ
- 一丸節夫: プリンストン・アスペン・サンタバーバラ
- 細谷暁夫: 第11回英国科学実験講座 クリスマス・レクチャー2000「時間って何だろう-アインシュタインの世界-」に参加して
- 学術会議だより
- 政池 明、永嶺謙忠、上坪宏道: 学術会議におけるITER計画検討ワーキンググループについて
- 新著紹介
- 小嶋 泉: 田崎晴明: 熱力学; 現代的な視点から
- 田口善弘: G.H.Ristow: Pattern Formation in Granular Materials、J.Duran:Sand, Powers and Grains
- 編集後記
- 広井善二