第56巻 第11号(2001)
表紙から
層状ルテニウム酸化物Sr2RuO4の超伝導は従来型の超伝導とは異なり、スピン三重項の電子対が担う画期的な状態である可能性が高い。中央はその電子対のスピン(小さな矢印)と軌道角運動量(大きな矢印)に対して現在信じられている状態の模式図、左上は結晶構造を示す。詳細は本号解説「スピン三重項超伝導の物理」参照。(京都大学大学院理学研究科 出口和彦氏提供)
層状ルテニウム酸化物Sr2RuO4の超伝導は従来型の超伝導とは異なり、スピン三重項の電子対が担う画期的な状態である可能性が高い。中央はその電子対のスピン(小さな矢印)と軌道角運動量(大きな矢印)に対して現在信じられている状態の模式図、左上は結晶構造を示す。詳細は本号解説「スピン三重項超伝導の物理」参照。(京都大学大学院理学研究科 出口和彦氏提供)
- 解説
- 前野悦輝、出口和彦: スピン三重項超伝導--ルテニウム酸化物で実現した新しい量子凝縮状態--
- 中村健蔵: ニュートリノ振動実験の現状と将来
- 野村清英、岡本清美: BKT転移とレベルスペクトロスコピー
- 最近の研究から
- 相原博昭: B中間子における大きなCP非対称の発見
- 岩崎雅彦、山本 明: ミュオン磁気能率測定は標準理論の破れを検出したか?
- 一丸節夫: 荷電フェルミ粒子系の強磁性転移-実験室の電子液体と白色矮星表層の金属水素
- 大学訪問記シリーズ
- 覧具博義: 物理関連学科訪問記シリーズ掲載にあたって
- 合田正毅: 国際基督教大学(ICU)訪問記
- 追悼
- 江口 徹: 梁 成吉博士の逝去を悼む
- 近角聡信: 里 洋氏を偲んで
- 新著紹介
- 川島直輝: W.キンゼル・G.レーンツ著林昌樹・勝浦一雄訳: コンピュータ物理学; MathematicaとCを用いた物理の問題のプログラミング
- 北原和夫: 川崎恭治: 非平衡と相転移; メソスケールの統計物理学
- 小島智恵子: G.Hecht: The Radiance of France; Nuclear Power and National Identity after World War Ⅱ
- 樋口三郎: G.B.Alfken and H.Weber: Mathematical Methods for Physicists, 5th ed.
- 会員の声
- ■物理学会誌8月号、筑波大青木保夫氏「核融合炉のブランケット材は何か?」への反論
- 編集後記
- 櫻井博儀