日本物理学会誌

第57巻第12号

cover0212.jpg表紙から

電子ビームイオントラップ(EBIT)からイオンを引き出し、価数選別して標的サンプルまで導くためのビームラインの模式図。主に、静電レンズ系と静電偏 向器(Electrostatic Bender)、及び質量分析磁石(Analyzing Magnet)から成る。下の図は、Xe44+ をグラファイト(HOPG)結晶に低速(~4×105m/s)で衝突させた後、走査型トンネル顕微鏡によって観察した像の鳥瞰図。表面上にできたナノ(10-9 m)スケールの隆起構造は、それぞれ1個のXe44+ イオンが入射した痕である。詳細は本号掲載の加藤太治氏、大谷俊介氏共著の解説記事参照。(アルバック・ファイ株式会社 清水 宏氏提供)



解説
飯田 圭: カラー超伝導
加藤太治、大谷俊介: 電子ビームイオントラップを用いた多価イオン研究--精密分光実験と低速多価イオンと固体表面との相互作用の観察--
歴史の径(こみち)
大野公男: "講義"
最近の研究から
細道和夫: 境界のあるリウビル場の理論
竹内 淳、黒田剛正、中田義昭、横山直樹: 半導体量子ドット間の反強磁性結合による電子スピンの反転
特別
江沢 洋: 学術会議の改革--その後
学界ニュース
戸塚洋二: 祝小柴先生ノーベル物理学賞
交久瀬五雄: 田中耕一氏 ノーベル化学賞受賞顛末記
浦川順治: KEK-ATFで世界最小の極小エミッタンスビームを達成!
談話室
川野眞治、馬場浩太、吉野太郎: ITERをめぐるシンポジウム
追悼
吉川圭二: 崎田文二氏の逝去を悼む
新著紹介
(短)仁藤 修: パリティ編集委員会編: 色とにおいの科学
植松英穂: 永平幸雄, 川合葉子編著: 近代日本と物理実験機器; 京都大学所蔵明治・大正期物理実験機器
鈴木義茂: 新庄輝也: 人工格子入門; 新材料創製のための
佐々木雅英: H.-K.Lo, S.Popescu and T.Spiller, ed.: Intruduction to Quantum Computation and Information
会員の声
■本誌記事「チベット宇宙線実験」を同業者が読むと ■「コメント」について
編集後記
前田京剛