日本物理学会誌

第59巻第3号

cover0403.jpg表紙から
1927年にジュネーブで開催された国際連盟知的協力委員会会合のメンバーには、5人の物理学者がいた。コの字型テーブルを向かって右机、中央机、左机と すると、右机奥中央がアインシュタイン(Albert Einstein)、右机左側手前から2人目がミリカン(Robert Andrews Millikan)、中央机の中央の人物右隣がローレンツ(Hendrik Antoon Lorentz)、左机奥中央がマリー・キュリー(Marie Curie)、そのすぐ手前(左机右側手前から2人目、横向き白髪の人物)が田中舘愛橘。知的協力委員会は、ユネスコのもとになった組織で、新渡戸稲造が 国際連盟事務次長として創設時から運営に尽力した。田中舘についての詳細は本号掲載の吉田晴代氏の歴史の小径欄記事参照。 (岩手県二戸市シビックセンター田中舘愛橘記念科学館 提供)


巻頭言
前田恵一:研究分野の分化と学会誌
解 説
板倉数記:カラーグラス凝縮 --ハドロン、原子核の高エネルギー極限における姿--
小澤正直:不確定性原理・保存法則・量子計算
浅川 誠:自由電子レーザー研究の現状と展望
最近の研究から
小沢恭一郎、延与秀人:QCDのもたらす質量の起源にせまる --ベクトル中間子をプローブとして--
原田知広:重力崩壊と自己相似仮説i
学界ニュース
長田俊人:第23回(平成15年度)島津賞受賞;三浦 登氏i
渡邊靖志:第20回(平成15年度)井上学術賞;相原博昭氏
今井憲一:第20回(平成15年度)井上学術賞;田村裕和氏
歴史の小径
吉田晴代:日本の実験物理学の草分け--田中舘愛橘--
談話室
藤森 淳:第1回日本-韓国-台湾ワークショップ「強相関物質とナノ構造のスペクトロスコピー」報告:日韓から日韓台へ
新著紹介
山地邦彦:[短評] 斯波弘行 「相互作用する電子」
西嶋恭司:T. Weekes 「Very High Energy Gamma-Ray Astronomy」
大内伊助:弘岡正明 「技術革新と経済発展;非線形ダイナミズムの解明」
編集後記
冨永靖徳