日本物理学会誌

第59巻第9号

cover0409.jpg表紙から
かに星雲: 今回の観測で得たかに星雲のX線画像。タイタンは破線に沿って9時間ほどかかって通過した。図の中央(矢印の先端)に見える黒い点はパルサー で、X線光子のパイルアップのためにデータが欠落している。それから左右に伸びる明るい線は、パルサーからのX線光子の漏れによるもの。パルサー周辺の トーラスやジェットが見える。タイタン: タイタンに固定した座標で見たX線像。タイタンが黒い影となって見える。詳細は本号掲載の話題欄参照。 (大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻 常深 博氏提供)


巻頭言
松村正清:我々の論文誌の魅力を増すために--IPAPにおける努力--
2005世界物理年によせて--物理学の魅力を伝える--
大橋隆哉
解説
大橋洋士:フェッシュバッハ共鳴を用いたフェルミ原子ガスにおける新しい超流動
実験技術
高山 健、下崎義人、木代純逸:誘導加速シンクロトロンの実証とその応用
最近の研究から
谷中 淳、福井信志、寺田康彦、篠原久典:超高真空STM/STSを用いた金属内包フラーレンの観察
大森賢治:アト秒精度のコヒーレント制御--分子振動波束への応用--
話題
常深 博:かに星雲のX線を使った土星の衛星タイタンの診断
小特集「日本からの情報発信に向けて--物理系英文誌の役割と改革--」
福山秀敏:なぜ国内誌?
佐宗哲郎、西森秀稔、斯波弘行:JPSJの現状と将来
九後太一、二宮正夫:プログレスの現状と将来
鈴木 徹、伊東一良:JJAPの現状と将来--JPSJの兄弟誌として--
シリーズ「物理教育は今」
江尻有郷、並木雅俊:今、なぜリメディアル物理教育か
新著紹介
中野 徹:水島二郎、藤村 薫著、日本流体力学会編 「流れの安定性」
高橋 公也:M. D. Esposti and S. Graffi, ed.: 「The Mathematical Aspects of Quantum Maps」
荒木 徹:A. ブレッケ著、奥澤隆志、田口 聡訳 「超高層大気物理学」
畠山 哲夫:W. J. Choyke, H. Matsunami and G. Pensl, ed.: 「Silicon Carbide; Recent Major Advances」
編集後記
森 健彦