第62巻第3号
(a)フェリチンというタンパク質の模式図。俵型のサブユニット24個が球状に集まりフェリチン分子を形成している。内部に空洞を持ち、そこに金属を蓄え ることで、サイズの揃ったナノ粒子を形成できる。(b)フェリチンを形成する俵型サブユニットのアミノ酸主鎖の構造。4本のαへリックスからなる。(c) グラフェンシート。炭素が六員環構造をとっている。(d)カーボンナノチューブの模式図。(c)のグラフェンシートを円筒形にまるめた構造をしており、 我々はフェリチンの金属ナノ粒子を触媒として成長させている。なお、(c) (d)のカーボンナノチューブの図は丸山らによるプログラムを用いて作成した; http://www.photon.t.u-tokyo.ac.jp/~maruyama/nanotube-j.html
巻頭言 本物と付き合う 冨永靖 155
解 説
結晶MgOトンネル障壁のコヒーレントなスピン依存トンネル伝導と巨大TMR効果
湯浅新治,David D. Djayaprawira 156
ベリー位相を再考する 藤川和男 163
非線形分子振動への代数論的アプローチ 佐甲徳栄 171
最近の研究から
タンパク質を用いたナノ粒子生成とカーボンナノチューブ成長触媒への応用
山嵜 明,吉村英恭,Goo-Hwan Jeong,小林慶裕 180
光散乱に現れるゆらぎの量子性・古典性 渡辺純二,木下修一 185
話 題
強磁場コラボラトリー計画 金道浩一 189
シリーズ「"ポスドク" 問題」
私の経験 杉浦方紀 193
ピクセラ訪問記 坂東昌子 194
ラ・トッカータ
シカゴ大における日本人研究者の家族 山本常夏 197
談話室
2006年度公開講座「新原子・反原子の創造」 渡邊靖志,新田英雄 199
2006年ノーベル物理学賞 杉山 直 201
JPSJの最近の注目論文から Vol. 75 (2006) No. 12より 斯波弘行 203
追 悼
本間三郎先生を偲ぶ 丸山浩一 206
新著紹介小特集「学会誌の記事を広く楽しく読むために」[第7回]
学会誌の記事を広く楽しく読むために:強相関電子系--磁性・軌道物性・一次元系--
引原俊哉 207
新著紹介 209
場の量子力学 :森 成 隆 夫
Topological Solitons :澤 渡 信 之
ナノシミュレーション技術ハンドブック :笠 井 秀 明
スティーブン・ワインバーグ著; 本間三郎訳 新版 電子と原子核の発見 :村 田 次 郎
編集後記
中田 仁