日本物理学会誌

第65巻第4号

cover-10-04.jpg表紙から
単一半導体量子ドット(In0.75Al0.25As)中に 光誘起された核磁場による発光スペクトルの過渡的変化 (上段左パネル; 印加した外部磁場の大きさは3.5テスラ,円偏光励起).上段右パネルは発光の円偏光度と核磁場によるゼーマン分裂エネルギーの変化 (オーバーハウザーシフト)を表示.下段左パネルは発光の円偏光度と電子のゼーマンエネルギーの相関.核磁場が外部磁場を打ち消し,電子スピンが再び縮退 すると発光の円偏光度が低下していることがわかる.下段右パネルは,励起偏光の変化に対する核磁場変調の様子をオーバーハウザーシフトを通して観測してい る.ここでは2個の単一量子ドット (赤と青)に異なる核磁場が形成されている. (X 0: 中性励起子,XX 0: 中性励起子分子,X+: 正の荷電励起子).詳細は本号に掲載されている笹倉弘理氏らの 「最近の研究から」記事を参照のこと.  


口絵    
 
今月号の記事から   223

巻頭言
  学術誌刊行の行方 瀧川 仁 225

交 流
  数百年前の超新星の分光観測に成功
    臼田知史,田中雅臣 226

解 説 
 系外惑星探査の最近の進展 生駒大洋,井田 茂 232
 遷移金属における異常ホール効果およびスピンホール効果                 紺谷 浩,平島 大,井上順一郎 239  

最近の研究から
 核スピンを光で見る・操作する-半導体量子ドットの動的核偏極        笹倉弘理,鍜治怜奈,足立 智,武藤俊一 247
 因果力学的単体分割による重力の量子化
       綿引芳之 251
 C6Caの層間電子超伝導
       菅原克明,佐藤宇史,高橋 隆 256  

話 題
 読者の皆様へ  260
 地球温暖化の科学-遅れて来た懐疑論の虚妄と罪
    阿部修治 260
 原因は気温高,CO2濃度増は結果   槌田 敦 266   

JPSJの最近の注目論文から Vol. 79 (2010) No. 1より
 髙山 一 270 

シリーズ 「"ポスドク" 問題」
 ポスドク問題:大学の論理,企業の論理 須藤 靖 272
 東京大学G-COE集中講義報告書 岡村直利 275 

談話室
 
事業仕分けに対する日本天文学会の取り組み 牧島一夫 277 

新著紹介  279
 
ケンブリッジの卵-回る卵はなぜ立上りジャンプするのか : 大木谷耕司 〈Sheffield大応用数学〉
アインシュタインの反乱と量子コンピュータ : 堀 田 昌 寛 〈東北大院理〉
日本分光学会編 分光測定の基礎、光学実験の基礎と改良のヒント、光学実験の基礎と改良のヒント : 榎 本 勝 成 〈富山大理〉
 

会員の声  
 
■基礎教育を'シルバー'に任せてよいか  281 


編集後記  
 永崎 洋