第71巻 第4号
■表紙の説明
当時の田無市(現在の西東京市)にあった移転前の東京大学宇宙線研究所研究棟前において,1999年4月に発足した宇宙ニュートリノ観測情報融合センターの看板を掲げる梶田隆章新センター長と戸塚洋二宇宙線研究所所長(当時).
ノーベル賞受賞の対象となったニュートリノ振動について梶田氏が国際会議で発表したのは,1998年6月に高山で開催された「Neutrino98」と呼ばれる国際会議である.それから1年を経ずして,研究の重要性を認められてセンターが発足し,梶田氏ご本人のみならず,スーパーカミオカンデ建設に尽力された故戸塚氏にとっても,喜びもひとしおであったと思われる.この研究を先駆として花開いた数々のニュートリノ研究については,「梶田隆章博士ノーベル物理学賞受賞記念」記事をご参照いただきたい.
(写真提供:東京大学宇宙線研究所)
■巻頭言
将来を見据えた男女共同参画推進 板倉明子 ...... 203
■物理学70の不思議
はじめに ...... 206
ブラックホールにならない中性子星,分岐点は? ...... 207
マヨラナ粒子の尻尾をつかめ! ...... 207
究極の超重原子核―安定の島をめざして― ...... 208
超高エネルギー宇宙線の起源は? ...... 208
太陽コロナはなぜ熱い? ...... 209
透明マントはできる? メタマテリアル ...... 209
■最近のトピックス
重力波の初の直接検出とその意義 田越秀行,中村卓史 ...... 210
■現代物理のキーワード
量子臨界現象―秩序と無秩序の狭間に現れる面白い物理
堀田貴嗣 ...... 212
■梶田隆章博士ノーベル物理学賞受賞記念「ニュートリノ振動をめぐる素粒子物理の展開」
カミオカンデからスーパーカミオカンデへ:歴史的経緯と研究成果の概要
中村健蔵 ...... 214
ニュートリノ振動の発見を振り返る 塩澤眞人 ...... 218
長基線原子炉ニュートリノ振動 井上邦雄 ...... 222
日本における加速器ニュートリノ振動実験:K2KからT2Kへ 中家 剛 ...... 227
■話 題
誰がカンニングを見たか 大関真之 ...... 231
■話題―身近な現象の物理―
雷の物理とその観測技術 牛尾知雄 ...... 235
■JPSJの最近の注目論文から
2月号の招待論文から 上田和夫 ...... 239
■ラ・トッカータ
第45回天文・天体物理若手夏の学校開催報告 北川祐太朗 ...... 240
第60回物性若手夏の学校開催報告 沼倉凌介 ...... 242
2015年度原子核三者若手夏の学校活動報告 千葉陽平,伊藤隼人,谷内 稜,矢島和希 ...... 244
第55回生物物理若手の会夏の学校の報告 牟田寛弥 ...... 248
■学界ニュース
第4回Zimanyi Nuclear Theory Medal:佐々木千尋氏 初田哲男 ...... 250
第30回西宮湯川記念賞:沙川貴大氏 上田正仁 ...... 250
■新著紹介 ...... 251
宇宙の物質はどのようにできたのか;素粒子から生命へ:吉田直紀
場と時間空間の物理―電気,磁気,重力と相対性理論:川合 光