日本物理学会誌

第75巻 第6号

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■表紙の説明
低温度差スターリングエンジンは身の回りの熱源の間のわずかな温度差を利用して自律的に動くエンジンである.エンジンはピストンの往復運動をクランクによって回転運動に変換する.クランクにつながった大小二つのピストンは位相が90°ずれている.大きなピストンの動きによってシリンダー内の気体が高温・低温熱源に交互に接触し,小さなパワーピストンを通して気体の膨張・圧縮による仕事が取り出せる.詳細は本号に掲載されている泉田勇輝氏の「最近の研究から」記事を参照のこと.図はY. Izumida, Nonlinear dynamics analysis of a low-temperature-differential kinematic Stirling heat engine, EPL 121, 50004(2018)のFig. 2を改変のもと転載(Licensed under CC BY 3.0: https://creativecommons.org/licenses/by/3.0/).


■巻頭言
大会の将来を予測する  大槻東巳 ...... 321

■最近の研究から
低温度差スターリングエンジンの力学系モデリング――自律非平衡熱機関の物理学に向けて  泉田勇輝 ...... 324
銀河間ボイドの化石磁場から探る初期宇宙の物理  鎌田耕平 ...... 329
混合状態に対する量子情報量とホログラフィー原理  玉岡幸太郎,梅本滉嗣 ...... 335
ナノ構造半導体におけるマルチエキシトンとコヒーレント分光――超高速レーザー分光が切り開く太陽光発電工学  田原弘量,金光義彦 ...... 340

■実験技術
ついに拓かれた1,000テスラ物性科学への道――電磁濃縮法の世界記録の達成
中村大輔 ...... 346

■物理教育は今 Physics Education
国際物理オリンピック(IPhO)と今後の課題――IPhO2019イスラエル大会に参加して
杉山忠男 ...... 355

■JPSJの最近の注目論文から  2月の編集委員会より
宮下精二 ...... 360

■ラ・トッカータ
夜学で物理を  長嶋泰之 ...... 364

■新著紹介 ...... 365
スピントロニクスの物理;場の理論の立場から:松尾 衛
量子物理学のための線形代数;ベクトルから量子情報へ:添田彬仁
ディープラーニングと物理学;原理がわかる,応用ができる:野村悠祐