■表紙の説明
表紙の図は，星間空間に漂うサブミクロンサイズの氷微粒子上で物質が進化する過程を実験で捉えることの概念図である．図左下が氷微粒子表面で生じる物理・化学過程（吸着・拡散・エネルギー散逸・反応など）を実験装置内で再現し，新規開発した高感度表面分析（Cs^＋ピックアップ）装置を用いて調べる様子を示している．図に示したスペクトルは，Cs^＋ピックアップ法により検出されたラジカルなどの微量物の質量スペクトルを表している．背景図は大マゼラン雲にある星形成領域N11B（Credit: NASA/ESA and the Hubble Heritage Team（AURA/STScI）/HEICの色を加工）．詳細は本号に掲載されている石橋篤季氏，渡部直樹氏の「解説」記事を参照のこと．

■巻頭言
JPS Anniversary Years 2025-2027が開幕！　　長谷川修司 ...... 1

■解　説
構造化された光（Structured Light）が拓く物質科学――基礎から応用まで
尾松孝茂 ...... 4
高感度表面分析による極低温氷表面ラジカル反応の実験研究
石橋篤季，渡部直樹 ...... 11

■最近の研究から
原子核におけるアルファ凝縮状態の探索　　足立　智，藤川祐輝，川畑貴裕 ...... 20
磁化プラズマにおける一発大波の励起　　　小菅佑輔，稲垣　滋，河内裕一 ...... 26

■学会の歩み150年　Part 1 通史記事
年会の4月開催，『記事』の整理，通俗講談会：1905-1913
物理学史資料委員会　学会150年史連載編集グループ ...... 31

■ラ・トッカータ
研究者による科学コミュニケーションの意義と課題　　小林良彦 ...... 32

■JPSJの最近の注目論文から
9月の編集委員会より　　播磨尚朝 ...... 34

■PTEPの最近の注目論文から　　林　青司 ...... 38

■学界ニュース　　第24回素粒子メダル：野尻美保子氏，久野純治氏，松本重貴氏；
青山龍美氏，仁尾真紀子氏，早川雅司氏
濱田雄太 ...... 41

■新著紹介
準結晶の科学；構造と物性　　北原功一 ...... 42