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名誉会員の赤﨑勇氏逝去(4月9日更新)

公開日:2021年4月2日

本会名誉会員の赤崎勇先生が、去る2021年4月1日にご逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。

赤崎先生は、1952年に京都大学理学部化学科をご卒業され、神戸工業(株)(現(株)富士通)を経て、1959年に名古屋大学着任。助手、講師、助教授を1963年まで務められた後、1964年に松下電器産業東京研究所基礎研究室長になられました。その後1981年にふたたび名古屋大学に教授として戻られ、定年退職後は1992年から名城大学教授となられ、研究を続けられました。

先生は、低温堆積緩衝層技術の開拓による高品質GaN 結晶の実現に続き、1989 年、GaN のp 型およびn 型伝導制御に成功され、GaN のpn 接合による青色発光ダイオードを実現されました。その後もGaN からの室温における低入力紫外光誘導放出やGaN/GaInN 量子井戸電流注入誘導放出を実現するなど、短波長域の発光ダイオード、半導体レーザー開発の草分けでいらっしゃいます。また、窒化物半導体における種々の量子効果(量子サイズ効果(1991)、量子とじ込めシュタルク効果(1997)を検証し、2000 年には非/半極性面の存在を理論的に示したことは、今日の発光素子高性能化研究の引き金となりました。これらの業績により,紫綬褒章(1997)、朝日賞(2000)、藤原賞(2002)、文化功労者(2004)、京都賞(2009)、IEEE エジソンメダル(2011)、文化勲章(2011)など,数多くの顕彰を受け、2014年にはノーベル物理学賞を受賞されました。

本会においては、2013年に名誉会員になられる以前より正会員としてご貢献いただき、第56回(2001年)年次大会において「青色発光素子はいかにして創られたか」という題目で総合講演をいただいています。

「我ひとり荒野を行く」という研究者魂で、不可能と思われることに挑戦し続けてこられた先生の生き方に深く敬意を表すると共に、後進の育成や日本の科学研究に多大な貢献をされたことに深く感謝申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。

2021年4月9日
一般社団法人 日本物理学会 会長
田島節子